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武家故実の伊勢貞丈(1718-84)の『軍神問答』は
「当節の武士は毘沙門天・大黒天・弁財天、或いは摩利支天、夜叉神、勝軍地蔵を軍神としているが、いずれも天竺の神。日本の武士なら大已貴命・武甕槌命・経津主命を祭り、甲冑を神の依代として勝利を祈れ」という趣旨です。
その中に、現代語訳しますと; 「問う、楠木正成のごとき良将・忠臣が大義のために戦った湊川合戦で討ち死にしたのは軍神の加護がなかったからか?」 「答う、合戦の勝敗は天命、すなわち運命が決する。天命は軍神にも変えられず、人知では予測できない。中国古代の聖人も天命を恐れた」 とありました。軍記などで「大義のため挙兵したが破れたのは天命の定め」などとあるのはこれですね。
新型コロナウィルスの蔓延でふと思い出しました。日常生活で気をつけてもいつ感染して肺炎併発、医療崩壊で「酸素吸入器不足・若い人優先・高齢者は安楽死」・・・となったら、これは「天命逃れ難し」かも。まあ、その時は「古武士の如く従容として逝く」の覚悟は必要でしょうね。
皆様にもどうかご無事でご健康・ご長寿を。
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