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海の伝説を調べていました。江戸時代の随筆や瓦版に「神社姫という人魚が出現」というのがあります。
文政年間(1818-1830)に肥前国の海から現れ、「竜宮からの使者の神社姫」と名乗り、疫病の流行を予言し、「我が姿を見た者は悪疫を免れるので、我が絵姿を印刷して配布せよ」と言ったと伝えます。手元の『日本の幻獣図譜』(湯本豪一・東京美術・2016)を見ますと人魚と言うより人面魚で、「尾が三本の剣になっている」とありました。どの瓦版も挿絵も深海魚のリュウグウノツカイに人面を頭に、三本の剣を尾につけた姿です。
刀剣には基本魔除けの効力があり、妖怪は名刀を恐れますから、刀剣をもつ事で人類の味方、正義の神の使者を表しているのかも知れません。
念のため魚の図録を見ましたが、カジキの類をswordfish, spearfishといい、太刀魚、秋刀魚は刀のような姿ですが、尾に放射状の三本の剣らしいもののある魚はいませんでした。何を象徴しているのでしょう。
今年もようやく月一回投稿は維持できました。来年もよろしくお願いします。
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