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木炭研究で学位を取られ、農林省などで日本の木炭産業の最盛期から衰亡までを見届けられた岸本定吉氏(1908-2003)の著作『炭』(丸ノ内出版、昭和51年)は考古学・歴史学の木炭史から現代の世界の木炭工業までを概観された名著です。
その中に鉄と木炭として、「鉄山秘書(鉄山必要記事)」の木炭関係記事の現代語訳と解説があります。
タタラで砂鉄を製錬する炭を大炭、銑鉄やケラから包丁鉄を作る鍛冶(大鍛冶)の使う炭を小炭というとあり、樹種、焼き方等の説明があります。小炭は「伏せ焼き」で炭窯を用いないで焼くとありました。
また刀工の用いる炭は松と栗の炭を用いる。栗は若木でなく枯れた老木を、松は樹齢14、15年から30年ほどの若木から焼いたものがよい、縦割にして長さ2.5センチほどに切って使う。松炭を使うと粘りのある刀ができる、またフイゴを止めるとすぐ火が消えて燃料の無駄がない・・・などとありました。
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