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『続群書類従』を読んでいましたら雑部に「多胡辰敬家訓」がありました。多胡辰敬(たこ ときたか 明応六年1497-永禄五年1562)は尼子氏の家臣で、毛利氏との戦いで討ち死にしたという戦国時代真っ只中の武将です。この中に武士のたしなみとして;
第一 手習学文(語学・学問)、 第二 弓(武術)、第三 算用(数学)、第四 馬乗(馬術)、第五 医師(医学)、第六 連歌・歌道、第七 包丁(料理、食事作法)、第八 乱舞(らんぶ・能)、第九 鞠(まり・蹴鞠)、第十 躾(しつけ・子弟の教育)、第十一 細工(技術)、第十二 花(華道)、第十三 兵法、第十四すまふ(相撲・格闘技)、第十五 盤ノウヘノ遊ビ(碁・将棋)、第十六 鷹、第十七 ニョウギ(容儀=服装)
とあります。戦乱の日々ですが武技は「武者ハ弓取。魔除けにも用いる」と弓術で代表とし、刀槍は出てきません。室町幕府の遺風で和歌、連歌、けまり、盤上遊戯など貴族文化もありますが、生け花、能などは武士の物で、儒学がないなど江戸時代の武士の教養とも大分違うようです。
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